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あ~早く売っておけば良かった。元気な主人が突然倒れるなんて。
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今月に入っての売却のご相談が 2件とも後見にまつわるものです。(現在、協議進行中) そのうちの一つの事例です。 70代のご夫婦で、奥さんからのご相談です。ご主人が半年ほど前に脳梗塞を発症されて 救急搬送、その後急性期を脱して現在はリハビリ病棟で療養されています。お住まいのお家とは別でご主人名義の中古戸建をお持ちです。ご主人のご両親が住まわれてましたがお亡くなりになり3年前から空家となってました。老朽化も進んできてご近所からも何となく注意されていたのでご主人が元気な時には「早いところ何とかこの家の処分も考えなアカンなあ」とお話されてたようです。
そして今回のご主人の発病で入院費やその後の療養費等の出費も思いのほかかかってきて何とかこの空家を売却したいとのご相談です。事情をお伺いすると通常の委任契約で売却活動としたいところですが脳梗塞のリハビリ療養中とあっては所有者であるご主人の「法律行為を行う意思能力」があるか無いかを確認せねばなりません。なぜなら民法3条の2「 法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は無効とする。」だからです。ですから、判断能力のない方は代理人を選任する法律行為もできないですから当然奥さんを代理人として売買契約を結ぶことはできません。結んだとしてもそれは無効となります。 そんなことになったら大変ですよね。
だからいくら奥さんが元気なころご主人がこの不動産を早よ売りたいと言ってたと言ってもまた 実情をお聞きすると私としても早期に売却活動に入りたいですが「無効」になる契約(法律行為)はできません。なので日を改めていつも組んでお仕事をしている司法書士さんとリハビリ病棟へご主人の状態を確かめに面会に行きました。
司法書士がポイントにしていたのはゆっくりでもご自身のお名前、生年月日、ご住所などをご主人が言えるかどうかでした。ゆっくりとお名前から質問したところやはりお答えは難しいようで残念ながらこの状況では売買の意思や委任契約などの法律行為は難しいと判断されました。
こうなったら後見制度の利用しかないのかと思うと私は「ちょっとなあ~」と思います。なぜかというと皆さん知ってます?成年後見って制度は結構時間も費用も掛かるしなおかつ必ずご家族が後見人に選ばれるとは限らないです。そして今回の事例のような相談者も70代後半ですしご自身もお身体もあんまり達者でなくてそこにご主人の付き添い等もありそこに今まであんまり関係のなかった「成年後見」という法律のシステムを取り入れていくという負担がかなり負担に思われる方もいらっしゃいます。
今回のお話はとりあえず現在は弁護士さんと協議中です。なるたけ相談者である奥さんの負担をこれ以上増やさないようにして売却にむけてスタートします。
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この記事をお読みの皆様で現在は空家になってる不動産をお持ちの方、ご自身のまさかの時に備えて、特にご高齢の方はお早めに生前贈与や売却等をお考えになることをお勧めします。
ご自身が持っている財産がほぼ不動産だけだと本当にそれを売却しないと日々の生活も苦しくなります。周りの家族も勝手に売却処分をできないのでね。
元気なうちに家族信託で信頼のおけるご家族に任せる方法もありますが費用も掛かります。詳しくは専門の司法書士さんへ相談するのをお勧めします。ウチでもお付き合いのある専門の司法書士さんいてるのでご紹介いたしますよ。